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中国・上海の「グループホーム」

  • wqbizp
  • 2019年11月30日
  • 読了時間: 3分

中国・上海市は日本のユニットケアを参考に、 認知症ケアを本格的に展開してきた。 そのような中で、一番注目されているのが、現在増えつつある「グループホーム」である。 その定義はベッド数が20〜40床、6〜8人の入居者が一つのユニットで共同生活。 個室奨励。 介護スタッフと入居者の比例は1:3とする。 認知症ケア特化の小規模施設である。 上海市は中国でもっとも高齢者人口率が高い都市として、 認知症の高齢者は20万人がいると推測される。 これまで認知症の高齢者が入居を拒否されたり、 精神病棟で薬漬けであったり、 自宅で家族により介護されているが、家族の手が負えなくなるケースが多い。 昨年から一年間のうち、1000ベッドの認知症専門用の介護ベッドを確保するのが市政府の目標。 昨年末に約1200の認知症ケアベッドが創設でき目標に達しました。 ちなみに、新設の「グループホーム」以外に、既存の介護施設での認知症ケアという枠のベッドも加算される。 今年も引き続き1000ベッドの計画となっている。 先日、上海を訪問した際、一か所の「グループホーム」をじっくり見学ができ、 事業者の幹部らと意見交換ができた。

中国最大の在宅訪問介護事業者「福寿康」が経営する、 上海市内から車で約40分の距離で、嘉定区にある一軒屋を改修した30ベッドの施設。 個室16室、二人部屋が7室。 今年の6月にオープンした。現在の入居者は8人。 入居料は1万元〜1万5千元、ちょっと高め。 建物の周囲は緑に囲まれ、すぐそばに池もあり、 テラスに出て深呼吸したくなるほど環境が良い。

そして、建物の中の内装も家庭的で、暖かい雰囲気が漂っている。

8人の入居者さんが、いずれも上述の三つの理由でこちらに入居してきたと言う。 入居当時は、症状が酷かったが、約4カ月が経った今、 皆穏やかな表情で、平穏な生活をしている様子が伺える。 症状が良くなったため、家族が連れ戻そうとしたが、家ではまた症状が戻ってしまい、 結局再入居した人も数名いたと。

ここでは、認知症ケアについて日本を手本にしている。 なぜなら、日本で留学経験、実務経験のあるスタッフ数名がいるからである。 日本の看護師資格を持っているスタッフ、 日本の東北大学大学院医学系研究科修士卒業・PT資格を持っている責任者。 何よりも、「福寿康」の社長張軍さん自身が日本で介護を学んだ後、 中国へ帰って起業した人物である。 今は、35000人の高齢者をお客さんに、全国へ事業を展開し、 中国の在宅訪問介護の最大手に成長させた。

このグループホームでは、拘束ゼロを目指している。 そして、食事がとても美味しい、その昼食をご馳走になった。

施設長をはじめスタッフみんながかなり若い。 彼らは、今、認知症ケアについて猛勉強中だ。

猛スピードで進んでいる上海の介護事情、 改めて、その変化を感じさせられた。  

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​日中福祉プランニング 代表 王 青

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